ビートルズ/ペニー・レインのAセクションのコード進行を分析した記事です。

ディスコグラフィDiscography

作詞作曲:ジョン・レノン・アンド・ポール・マッカートニー
リリース:アルバム1967年11月27日(アメリカのキャピトル・レコード編集盤)
Magical Mystery Tour『マジカル・ミステリー・ツアー』の9曲目に収録されている。
BPM=112。
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コード進行Chords

オリジナル・キーはBメジャー。
わかりやすいように、キー=Cメジャーに移調しています。
Aセクションのコード進行は|C|Dm7G7|C|Cm7|Am7♭5|A♭△7|G7sus4G7|F|
C(Ⅰ)から始まるパターン。
メジャー・キーのトニック・コード(Ⅰ)からトニック・マイナー・コード(Ⅰm)に進むというアイディアが使われている。
このコード展開によって生み出されるコントラストが、ペニー・レインの印象的なフックになっている。
そこからマイナー版ダイアトニック・コードによるクリシェにつなげられている。
Am7♭5(Ⅵm7♭5)はメロディック・マイナー・スケール型に登場するコード。
A♭△7(♭Ⅵ△7)はナチュラル・マイナー・スケール型と、ハーモニック・マイナー・スケール型に登場するコード。
Ⅰmの代理コードととらえると、トニック・コードでのクリシェととらえられる。
それからG7(Ⅴ7)、F(Ⅳ)までベース音がおりていく進行。
Ⅴ7sus4がⅤ7の前に使用され、ワン・クッション入ることで、ゆるやかな進行になっている。
ペニー・レインはサビで全音下がり、キー=B♭メジャー(オリジナル・キーはAメジャー)に転調する。
Fはキー=CメジャーのⅣ、キー=B♭メジャーのⅤ。
新しいキーに移動する直前に、新しいキーの先頭のⅠに対するⅤコードが置かれ、転調する前フリがつくられている。
Ⅴを組み込むと、ドミナント・モーションの進行力を利用して新しいキーにスムーズに移行することができる。

トニック・マイナー・コード
同主短調から借りてきたⅠmのコード。
切なさを感じさせる響きをつくり出すことができる。
Cメジャー・スケールと、Cマイナー・スケールは同じドの音から始まる。
このように、開始音(主音)が同じメジャー・スケールと、マイナー・スケールは「同主調の関係にある」と言う。
この関係を利用して、同主調からダイアトニック・コードを借りてくることができる。

メロディMelody

使われている音はファソラシシ♭ドレミ♭ミ。
マイナー版ダイアトニック・コードでブルー・ノートが使われている。

まとめLearning

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トニック・マイナー・コード(Ⅰm)に注目。
楽曲の場面転換を図ることができる。
転調の手前に新しいキーのⅤ(7)を置くアイディアにも注目。
ドミナント・モーションの進行力を利用して新しいキーにスムーズに移行することができる。
オリジナル曲の制作に取り入れてはいかがでしょうか。


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